ベタ・インベリスはワイルドベタの中ではベタ・スマラグディナと並んで古くから親しまれているポピュラーな種類である。
それだけに色彩的な改良品種は多く作出され、イエローテールやブルー、グリーンなどのバラエティを見かける事も多い。
しかし、スマラグディナやスプレンデンス、マハチャイエンシス等に見られる尾ビレの中央部が突出したピンテールの個体だけは見た事がない。数多くのインベリスの地域変異の中でもピンテールの個体は知られていない。
いそうでいないインベリスのピンテールは需要がないため誰も作出しようと試みていないのだろうか?と常々考えていた。
昨年あたりからタイの市場では、インベリス・ロングテールあるいはインベリス・ハーフムーンと称して、インベリスのヒレがスプレンデンスのハーフムーンの様に伸長した改良品種が市場に並んでいた。
初期の個体は尾ビレの形状が悪くて、とてもじゃないが撮影しようと言う気にならない個体ばかりであった。
2026年になりタイを訪れチャトチャックに行くと、ハーフムーンと呼ぶにはまだまだであるが、尾ビレの伸長具合も良く、形状もやや整った個体が市場に並ぶようになっていた。
これならギリギリ撮影意欲が湧く個体であった。
それが今回ここで紹介している個体である。

嬉しい事に雌も一緒に販売されていた。
インベリス・ロングテールを見つけ、その足で他のベタ屋をチェックしていたら、そこで今回の本命とも言えるインベリス・ベールテールを見つけた。
これも以前から市場に並んでいる改良品種ではあるが、ベールテールが綺麗に整った個体は見た事がなく、どの個体も尾ビレは伸長しているが、形状が悪くて美しいと呼べる個体ではなかった。
ところが今回目にした個体は、店に並んでいる10個体程全てが整った完成されたベールテールの個体だったのである。
特にスペードテールになっている数個体は自分の好みドストライクな個体であった。
思わず店主に値段を尋ねたが、まあ常識的な値段で安心した。
ただし、雄個体のみで雌はいないらしいのが残念であった。
まあ、撮影に使うなら当面雄のみでも構わない。

その日はまだ朝にバンコクに到着したばかりで、ホテルに撮影用の水槽をまだセットしていなかったので、魚は取り置きしておいて貰い、撮影用水槽をセットして翌々日に改めて購入しにチャトチャックに行った。
自分が宿泊しているホテルはもう20年以上常宿にしている為、かなり無理な事まで受け入れてくれる。
普通のホテルで水槽をセットし、エアコンを付けっ放しで部屋にベタを何十匹もキープしていたら追い出される事だろう。
インベリス・ベールテールを購入しに行き、ついでにインベリス・ロングテールもゲットし、他のワイルド系のベタ屋に行ったら、そこにもインベリス・カッパーの美しい個体が!!
これもまだ撮影していない改良品種なので、迷うことなく購入。
これでタイに来て3日目にして、インベリスの改良品種を3品種ゲットしてしまった。
この際に頭をよぎったのは、この3品種をこのコラムで紹介しようと言うアイデアであった。
そしてその記事の中心はもちろんインベリス・ベールテールである。


インベリス好きにはたまらない企画だろうと思うのが、自分だけでない事を祈るばかりである。
ここまでこのコラム用の原稿を執筆したところで、恒例のチャトチャックのベタ屋の巡回をしていたら、またもやインベリスのニューフェイスに遭遇してしまった。
インベリスのクラウンテールなのだが、正直まだ完成度はいまいちで、言われないとインベリスだとは気付かないレベルであった。
その上購入しようと価格を尋ねたら、思っていたよりも高価であった。


もっと完成度が高くなり価格も落ち着いた頃に購入しようかと頭をよぎったが、せっかく他のインベリスの改良系と共に紹介する機会だと考え直しオスを2匹だけ購入した。
この品種はメスも販売していたのだが、まだ小さく若い個体なのにも関わらずオスの2倍程の値段であった。
よく改良品種のベタはオスの方が高価でメスは安価だと思われている節があるが、ちゃんと固定された品種ではそのような事はなく、メスも同じ価格か逆に高価なケースも多いのである。
今回は繁殖用ではなく撮影用なので、オスだけ購入しメスはまたの機会とした。
こうして今回は期せずしてベタ・インベリスの改良品種を4品種ゲットしたので、その姿をご覧頂きたい。
写真は品種としての完成度の高いベールテールのインベリスが中心だが、それは写真の個体を見ていただければ納得して頂けると思う。
















