
2025年11月、いつものようにラオスへと出かけた帰りにタイ東北部で採集、撮影などを行って来た。
ラオスのサワナケートからメコン川を渡ってタイ側のムクダハンに戻ると、目的地であるブンコンロン湖へと向かった。
もう何度もこの辺りには通っているので、今回は周辺のまだ探索を行っていない場所での採集が主目的であった。
宿はいつものブンコンロン湖の湖畔のリゾート。
ここは湖まで歩いて数秒と言う絶景のロケーションで、採集した魚の水換えなども非常に楽なので常宿にしている。
魚の採集に来る日本人なんて超珍しいので、ここのオーナーにはもう覚えられており、いちいち行動を説明する煩わしさがないのも嬉しい。

このブンコンロン湖、最初に訪れたのは2016年で、スマラグディナのギターのワイルドの生息状況を見に来たのが最初である。
当時はまだ観光地としてはそんなに知られておらず、まだ長閑な雰囲気の場所だったのだが、その後観光地化が進み、現在では欧米人もかなり訪れる立派な観光地になってしまった。
湖畔周辺には立派なリゾートが建設され、夜には音楽が鳴り響くギラギラのライトで飾られた飲食店が立ち並ぶようになり、静かな田舎の環境が好きな自分にとっては何だかなーと言う変化であった。
さて、今回はブンコンロン湖の周辺にあるいくつかの滝周辺を探索してみようと計画していた。
まずはグーグルマップでチェットシー・ウォーターフォールを目指す。
目的の滝に着いたものの、滝とは名ばかりで水が全く無い。辺りには水があった名残のホシクサやモウセンゴケなどの植物が自生しているだけで、魚のいる環境は全くなかった。
滝を下って道を走っていると、何となく良さげな雰囲気の水辺を発見。
水面を見るとオリジアスらしき魚の影も見えたので、網を入れてみる。
場所的にはメコネンシスかと思ったのだが、採れた魚をビニール袋に入れて良く見るとオリジアス・ソンクラメンシスだった。
撮影用に15匹程キープして、次の場所に向かう。
相棒のトンはどこか目的の場所があるのか、道路脇の売店で何か道を尋ねている。
その場所で話を聞いていると、店の裏の池にベタがいると言う。
ブンコンロン湖からは少し離れているので、ギターなのか興味があったので、ここで少し採集をする事に。
可愛い子犬2匹も採集に参加して、網を入れると直ぐにオリジアスが採れた。
ビニール袋に入れて確認すると、尾鰭に鮮やかな赤いツインバーが確認出来た。
先ほどの場所からあまり距離が離れていないのに、ここのはメコネンシスであった。
体色もやや黄色みを帯びており、ブンコンロン湖産のメコネンシスに似ているが、日本に持ち帰ったので、ソンクラメンシスと共にきっちり水槽で仕上げてから撮影する予定である。

目的のギターは採れないが、次に網に入って来たのは、トリコプシス・シャレリーである。
尾鰭のスペードテールが良く目立つが、ブンコンロン湖のゴールデン・シャレリーよりも小型だし、色彩や尾ビレの形が違う。
と言う事で撮影用に数匹をキープ。
その間もトンは採集を続けたが、ギターは採れないがメコネンシスはそこそこ採集出来たようだ。
トリコプシス・シャレリーの他に、クローキング・グーラミィと呼ばれるトリコプシス・ヴィッタータも採れたのだが、何となく他の場所のよりも体色が綺麗な気がして、いつもならリリースするところを撮影用に5匹だけキープ。
結局、目的のギターは採れなかったが、これは次回の課題としよう。

2026年の2月、トンが日本に出荷するための魚を採集に再度プートークに行ったところ、前回は採集できなかったベタ・スマラグディナが採れたようだが、尾ビレにギターの様な模様は無いという報告を聞いている。
次回タイに行った際に自分の眼で確認してから、また報告したい。
バンコクまで大事に持ち帰ったシャレリーとヴィッタータを落ち着いたところで撮影したところ、現地で感じた違和感は当たりであった。
シャレリーは通常のシャレリーともゴールデン・シャレリーとも異なり、黄色味が強く、尾ビレのピンテールが目立つ全く新しいタイプであった。
他のシャレリーと区別するためにこのシャレリーはイエロー・シャレリーと呼ぶことにしよう。
いつもなら採れてもリリースしてしまうヴィッタータも、通常のタイプと異なりかなり黄色味が強く、尾ビレの中央の模様も異なっている。
採集後にトンがどこかに向かって車を走らせた。

その場所はワット・プートークと呼ばれ、ここブンカンでは有名な観光地であった。
プートークとはタイ東北部の方言で孤立した山を意味し、この独特の形状をした山の山頂に寺院があるそうである。
トンはここの寺院でお祈りがしたかったようである。
無宗教な人間が多い日本人と異なり、タイ人は敬虔な仏教徒である。
車を運転中でもお寺を確認すると手を合わせてワイ(合掌して頭を下げる挨拶)をするぐらいである。
このワット・プートークの近くで採集したシャレリーは、今回サンプルを持ち帰った事で、今までに知られている魚とは全く異なるタイプである事がはっきりしたので、今回ここで紹介する事にしよう。
たぶん2026年にはこのプートークのイエロー・シャレリーは商業的にリリースされると思われるので、運良くゲット出来た際には大切に繁殖までチャレンジして頂きたい。
















