山崎浩二のSmall Beauty World

第47回「コイベタ・Wテール」

赤と黒と白の典型的なコイベタの色彩のWテールのオス。やや尾びれの上下のバランスは悪いが、他のヒレや色彩のバランスから見れば良い個体である。Wテールでは意外とこの系統の魚が数は多くない。

ここのところ日本で数年続いたコイベタ人気もやや落ち着きを見せている。それに伴いベタの本場であるバンコクのショップでも、以前のようにコイベタばかりが展示されている状況は見なくなった。現在はコイベタの中でも厳選された個体だけが店頭に並べられるようになっている。また以前は良い個体の入手が難しかったコイベタのジャイアントもかなり良い個体が手頃な値段で入手できるようになってきた。少数ではあるが、コイベタのハーフムーンのジャイアントもたまに見かけるが、完成形とは言い難い。コイベタ・ブームの際からたまに見かけたWテールの個体は、ここに来て量産され始めたのか、比較的入手も容易になって来た。以前は普通のコイベタの数倍の値段で、入手も難しかったのだが。このようにコイベタの市場も大きく変わって来た。

やや薄いオレンジ系のコイベタのWテールである。今回見たファームではこの色彩の系統の魚が多かった。背びれの形も良く、バランスの良い体型が美しい個体である。
こちらはやや白と黒が目立つコイベタとしてはスタンダードな色彩の個体である。体型的にはセミショートと言うのか、やや短い印象である。

と言うことで、今回はまだ紹介していなかったコイベタのWテールを紹介しよう。以前は価格も高く、紹介するほどの個体を撮影するのも難しかったのだが、最近は通常のコイベタと同じ価格で入手できるようになっている。

濃いオレンジ色が美しいWテールのオス個体。背びれのボリュームがやや足り無い印象であるが、尾びれの上下のバランスも良く、整った体型の魚と言える。
コイベタではタイガーと呼ばれる黄色と黒の系統のWテールのオス個体。黒く染まった背びれの大きさも申し分なく、アクセントとなっている。体型的にはややセミショートで可愛い印象の魚である。

今回はファームで、撮影用の個体を選ぶ機会があったのだが、気になる点がいくつかあった。それは通常の赤&黒のコイベタのカラーパターンの個体が少ない事である。圧倒的にタイガーと呼ばれる黄色系やオレンジ系の個体が多いのである。それは瓶に入ったオスだけではなく、メスも同じであった。ファームのメスの育成用の池に網を入れさせて貰ったのだが、そこでも黄色系の個体数が多かった。これはもしかすると赤&黒系の個体の人気が高くて、先に出荷してしまっただけかもしれない。また繁殖の際の親魚に黄色系の個体を使ったためかもしれない。今回は聞き忘れてしまったが、今度ファームに行った際に、その辺りは聞いてみたい。

もうひとつ気になったのは、ショートボディ気味の個体が多い事である。Wテール自体、ある種の奇形?から作出された品種なので、脊椎骨の異常の確率も高いのであろう。ベタでは、以前からたまに市場にショートボディの個体が出回っていたが、品種レベルで固定されたものではなく、偶然に生まれた一品ものが多かった。そもそも個人的にショートボディの魚があまり好きではない事もあり、敢えてここで紹介する事もなかった。個人の好き嫌いは別として、綺麗に整った可愛い体型のショートの魚は日本の市場でも人気があるようだ。このコイベタ・Wテールでは、可愛いセミショートの個体は比較的多いので、入手し易いだろう。

コイベタの黄&黒系の魚はタイガーと呼ばれ人気が高い。Wテールでは比較的多く見られる色彩である。この個体はメスで、腹部に卵巣が透けて見え、すぐにでも繁殖に使える。
Wテールのメス個体である。スタンダードなコイベタでは、オレンジ系の個体は比較的少ないのだが、Wテールでは普通に見かける。この個体はすでに卵巣も発達しているので、いつでも繁殖に使える。

コイベタ以外のベタでも同じなのだが、Wテールの個体を選ぶ際には重要なポイントがいくつかある。ひとつは、ふたつに分かれた尾びれが上下で均等なサイズである事だ。意外とこのバランスが悪い個体が多いので、注意したい。ふたつめは背びれの前部に窪みなどがなく、頭部から背中にかけてなだらかなラインである事だ。ここが悪いと、せっかくの大きな背びれの魅力が台無しになってしまう。

今まで高価だったコイベタのWテールであるが、価格の安定化とともに日本へ紹介される機会も多くなって来た。飼育の機会も多くなると思われるので、繁殖も視野に入れて飼育を楽しんで貰いたい。

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