このコラムでも何度となく紹介して来たタイのバンコクのチャトチャック市場。
いつも自分がネタを仕入れていたベタのお店が集まっていたソイ・パカットが火事のために消失してしまった事も以前のコラムで書いた通りである。
火事のために以前の場所で営業出来なくなったベタ屋達は散り散りバラバラになり、チャトチャックの新しい場所で営業を始めている。
馴染みのあるベタ屋の移転先もほぼ把握し、自分もまた以前のようにネタ探しが出来るようになった。
やはりベタ屋は一軒だけでなく数軒が集まっている方が集客力があるようで、新しい場所でも4~5軒のショップが集まっている。
その中には以前のソイ・パカットにいたショップではなく全くの新規のショップもちらほら見かける。
馴染みのショップで買い物をして、魚をパッキングして貰っている間に暇を持て余し、新規のショップを覗いてみたところ、あるプラカットに目が止まった。
それが今回ここで紹介するシルバーバックのプラカットである。
こうした個体は一品物なので単独で見かける事が多いのだが、このショップには珍しく5匹程かなりハイグレードな個体が並んでいた。
初めてのショップなので、その魚たちがどれぐらいの値段なのか全く分からない。
恐る恐るそれぞれの個体の値段を尋ねてみた。
ニー・タオライ?と英語ではなくタイ語で尋ねてみた。
自分の経験では、日本人だとバレると値段を吹っ掛けられる傾向があるので、最近は買い物の際に値段を尋ねる際はタイ語を使うようにしている。
まあ、見かけや発音でタイ人ではないのはバレバレなんだろうけど、ささやかな抵抗である。
値段を尋ねた結果、返って来た答えは想像以上のお手頃価格だったので、気に入った5匹の個体全部を購入させて貰った。
これだけの個体が揃っているのは、この店の店主のベタを仕入れる眼が肥えている為であろう。
どうしても馴染みのショップばかりチェックしてしまいがちだが、たまには新規開拓も必要だと反省した次第である。
このお店も今後は定期的にチェックが欠かせないだろう。
今回紹介するシルバーバックのプラカットだが、新しい品種ではなくかなり以前からたまに見かけるカラーリングである。
ドラゴン系の新種からたまに出てくるみたいで、まだ品種として固定されている訳ではない。
それだけに背部に美しいバランスでシルバーカラーが乗った個体は意外に多くなく、今回見つけた様な個体はかなりレアである。
このシルバーバック、ブラックドラゴンやレッドドラゴンからの派生系の個体が多いようだが、メタル系の個体でもたまに見かける。
背部のシルバーだが、体側の色彩との境界が綺麗に染め分けられて整った個体もいれば、やや光沢のある鱗が乱れた感じの個体もいて、全く同じような個体は二匹といない感じである。
見た目は美しく、人気も高い色彩なので、今後は選別交配により固定度も高まる事だろう。