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山崎浩二のSmall Beauty World

第4回「渋い魅力のハーフムーン・ベタ」

前回はプラカットを紹介したので、今回は今ベタの中で最も人気の高いハーフムーンを紹介しよう。
このハーフムーン、日本では抜群の人気を誇るが、ベタの本場タイでは圧倒的にプラカットに人気の点で負けている。
プラカットがタイで昔から親しまれて来た生粋のタイの品種なのに対し、ハーフムーンは欧米で品種改良が進められ、その後にタイに里戻りした品種であるのも、その人気の差の理由のようである。ベタ専門ショップが多く立ち並ぶバンコクのサンデーマーケットを歩いてみても、圧倒的にプラカットを扱っている店の方が多く、ハーフムーン専門店というのはまだまだ少ない状況である。

タイのベタ・ブリーダーの技術を持ってすれば、プラカットの新品種の色彩をそのままハーフムーンに移行することなど朝飯前の気がする。しかし、どうも色彩に関しては、プラカットの方が常に先に進んでいるのに、ハーフムーンでは色彩バラエティが少ないというのが現状である。この辺りにプラカット・ブリーダーとハーフムーン・ブリーダーの意気込みの違いをみる事ができる。
とはいえ、同じ色彩の魚ばかりでは商売にならないというのは、ハーフムーン・ブリーダー達も理解しているようで、ここ最近は少しずつではあるが、おっ!という色彩のハーフムーンを見かけるようになってきた。

今回はその中から、ブラックをベースにし、そこにドラゴン系やメタル系のシルバーやホワイトが入る渋い色彩のハーフムーンを紹介しよう。

こうした品種は、レッドやブルーといった原色を身に纏った派手な品種に比べると地味な印象を受けるが、非常に不思議な魅力を持っており、マニアの間で人気が高い。特に日本人は、改良品種でもブラックやホワイトの品種が好きな傾向がある。そんなマニアには、正にツボといった品種と言えるだろう。ただし、一般人にはその魅力はやや理解し難いものがあるので、決して同意は求めない方がよいだろう。ちなみにハーフムーンの中で最も一般受けのする色彩は、ラベンダーと呼ばれ、ピンクがかったレッドに白い縁取りの入るものである。確かに可愛らしく万人受けのする色彩であるが、へそ曲がりのマニア達はこうした色彩には目もくれず、ひたすら地味な色彩の魚を追いかける傾向がある。そういう自分もその一人なのであるが。

今回、タイミング的にヒレが大きく伸長した成魚が入手できなかったので、やや若い魚をモデルにしている。言い訳ではないが、もしハーフムーンを飼育する場合、個人的には後は衰えていくだけの完成した成魚よりも、こうした若い魚の方が長く楽しめるのでお勧めだ。老成した魚に比べフレアリングもはつらつとしていて見ていて気持ちがよい。

ベタに関しては、日々新しい品種が作出され、ベタ専門店の店頭を賑わせている。このコラムでも今後定期的に新品種を紹介していきたい。

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