水作株式会社

水作株式会社

日本語サイト
english site

山崎浩二のSmall Beauty World

第107回 コンノック・カッパー

全身が見事なカッパー色に染まったコンノック・カッパーのオス個体。全体のフォルムが丸い円状なのもこの個体を美しく見せている。このように整った個体にはそう出会えないだろう。

ハーフムーン・コンノックに初めて出会ったのは2015年の11月になるので、かれこれもう10年も前の事になる。
このコラムの第33回でもその際のハーフムーン・コンノックの事を記事にしているので、興味のある方は読み直して頂きたい。

当時まだこの改良品種はメディア等で紹介されていなかった為か、非常に反応が大きく、日本の観賞魚輸入業者からの問い合わせも多かった。
だが、まだ生産数も少なく、尾ビレが綺麗に整った個体は少なく、コンノックの名称でかなり?な個体がシッパーから送られて来たと言う話を耳にした。
実際、ベタのファームを訪れコンノックを見せて貰っても、尾ビレの形状に満足いく個体は少なく、かなりセレクトが難しい品種であった。
当時このコンノックは固定された品種ではなく、ハーフムーンを繁殖させているとその中から少数現れるいわゆるハネ物的な存在であった。

やや大きめのヒレを持ったコンンック・カッパーのオス個体。コンノックにもヒレの短いプラカット的な個体とハーフムーン・コンノックと呼べるような個体が存在している。
赤みのある各ヒレの色彩が目立つコンノック・カッパーのオス個体。この個体はやや短めのヒレを持つタイプだが、尾ビレは綺麗な鳥の羽状に整った形状になっている。

あるファームでコンノックが欲しいと尋ねたところ、売り物にならないので先週たくさんの魚を処分したと言う勿体無い話も聞かされた。
それは美しく整った尾ビレのコンノックが少なく、中途半端なローズテールだかコンノックだか分からないような個体が多かった為かとも想像出来た。
このように日本人のマニア受けが良いコンノックだが、何故かベタの本場タイではあまり人気がないようだ。
チャトチャックの数有るベタ屋でも見かける事は稀だし、ベタの集まる観賞魚の市場でも滅多に見かけない。
自分が良く通っているベタのファームでも積極的に生産している感じはなく、ハーフムーンを生産する際の副産物として少数キープしているだけである。
そんな状況なので、コンノックに関してはこの10年で大きな変化は見られなかったと言うのが現状だ。

カッパーと言うよりもシルクホワイトの体色が非常に目立つ美しい個体である。各ヒレの伸長具合も良く、全体のフォルムも円形に近く、コンノック・カッパーとしてはかなり高レベルの魚と言える。
全身がカッパー色に染まったやや短めのヒレを持った個体である。尾ビレの形状もコンノックとしては整っており、オス同士で盛んに闘争する様子も可愛らしい。

自分の懇意にしているベタのファームでは、マスタードガス系のハーフムーンから抜いた個体はプロポーションも良く、コンノックとしてはかなり上級品なのだが、他の色彩ではあまり綺麗な尾ビレのコンノックは見られない。
同じハーフムーンでも色彩の系統によってコンノックの出現する割合や出来不出来があるようだ。
同じ色彩の魚ばかりでは、撮影のモデルには使えないので、常にニューカラーか綺麗なプロポーションの個体を探すのが日課になっていた。
2025年の春、いつものようにベタのファームを訪れると、このカッパーのハーフムーンは綺麗だろう!とお勧めされた。
ハーフムーンのカッパーはあまり撮影していなかったので、モデル選びを始めると気になる魚が見つかった。
それはコンノックのカッパーであった。
色彩はもちろん、特徴である尾ビレの形状も整っていて美しい。
同じファミリーだと言うカッパーの中に数匹モデル個体がいて、迷わずそれをゲットした次第である。

良く伸長したヒレを持つコンノック・カッパーのオス個体。尾ビレの形状ははコンノックと言うよりもローズテールと呼んだ方が良いかもしれない。とはいえ、全体のフォルムやカッパーの体色のバランスも美しく、店頭に並んだら速攻で売れてしまいそうな個体である。
今回紹介しているコンノック・カッパーと同腹のハーフムーン・カッパーである。色彩もフォルムも非常に美しい個体である。こうした個体と同じ兄弟の中から少数コンノックが出現するようである。しかし美しくバランスの良い個体は少なく、綺麗なコンノックは珍重される。

万人受けする派手な色彩ではなく、マニア好みのカッパー体色なので、このコンノックは素人には受けないだろうと想像出来たが、それこそコラムのネタにしては面白いのでは?と考えた。
今回紹介しているのはその貴重なコンノック・カッパーなので、そのレアな体色の美しさを堪能して頂きたい。

水作株式会社
〒110-0016 東京都台東区台東1-9-6 水作秋葉原ビル
TEL : 03-5812-2552 (お客様相談室)